「新幹線は9号車しか乗らない」という人がいるのをご存じですか?
一見すると単なるこだわりに思えますが、実は9号車には、グリーン車の快適さや仕事をしやすい環境など、路線によって異なるメリットがあります。
ただし、「9号車なら必ず静か」「いつでも空いている」というわけではありません。
東海道・山陽新幹線では9号車がグリーン車、上越・北陸新幹線では平日の対象列車でTRAIN DESKになるなど、新幹線によって特徴は大きく異なります。
この記事では、
- なぜ9号車を選び続ける人がいるのか
- 9号車ならではのメリット
- 9号車が向いている人・向いていない人
- 路線による9号車の違い
- 予約前に知っておきたい注意点
をわかりやすく解説します。
「次の新幹線、何号車を予約しよう?」と迷っている方は、9号車が自分に合うかぜひチェックしてみてください。
「9号車しか乗らない」の理由は新幹線によって違う
まず押さえておきたいのが、9号車の役割は路線や車両によって異なるということです。
「9号車は静か」「9号車はグリーン車」「9号車は仕事向け」といった情報を見かけることがありますが、これらはすべての新幹線に当てはまるわけではありません。
たとえば東海道・山陽新幹線のN700Sなどでは、8号車・9号車・10号車がグリーン車です。
つまり9号車は、3両続くグリーン車の真ん中に位置します。普通車指定席の一部ではなく、グリーン料金を支払って利用する車両です。
一方、上越・北陸新幹線のE7系では9号車は普通車です。
しかも平日の対象列車では、9号車が仕事や勉強をする利用者向けの「TRAIN DESK」に設定されています。普通車指定席と同じ料金で利用でき、追加料金は必要ありません。
さらに東北新幹線のE5系では、9号車がグリーン車、10号車がグランクラスです。一方、TRAIN DESKとして使われるのは原則7号車なので、同じJR東日本の新幹線でも事情が異なります。
この違いを知らずに「9号車がおすすめらしい」と号車だけで選んでしまうと、想像していた座席とまったく違う可能性があります。
だからこそ、9号車を選ぶ際は「何号車か」だけではなく、「どの新幹線の9号車なのか」を確認することが重要です。
東海道・山陽新幹線で9号車が好まれる理由
東海道新幹線の「のぞみ」「ひかり」「こだま」では、N700Sなどの16両編成の場合、8〜10号車がグリーン車になっています。
その真ん中にあるのが9号車です。
この配置こそ、「9号車をいつも選ぶ」という人がいる理由のひとつと考えられます。
グリーン車ならではのゆったりした座席
最大の魅力は、やはり座席の快適性です。
N700Sのグリーン車は2列+2列の座席配置で、普通車よりも1席あたりのスペースに余裕があります。
JR東海によると、N700Sのグリーン車は座席幅480mm。フットレストや読書灯、レッグウォーマーなども備えられています。
東京から京都、新大阪といった長時間の移動では、座席の広さは疲れ方にも影響します。
「移動そのものを休憩時間にしたい」
「目的地に着いてから疲れを残したくない」
「パソコンを広げても窮屈に感じにくい席がいい」
という人にとって、グリーン車は大きな魅力があります。
9号車にこだわっているように見えて、実際には「グリーン車の中でも9号車が好き」というケースも少なくないでしょう。
グリーン車3両の中央という位置が魅力
東海道新幹線では、8・9・10号車とグリーン車が3両連続しています。
9号車はその中央です。
8号車は普通車の7号車側、10号車は普通車の11号車側に位置しますが、9号車は両側をグリーン車に挟まれています。
この配置から、「グリーン車らしい落ち着きを感じやすい」と考えて9号車を好む人もいます。
もちろん、JRが「9号車は最も静かな車両」と公式に案内しているわけではありません。
乗客の人数や時間帯によって雰囲気は変わるため、必ず静かになるとは限りませんが、号車選びにこだわる利用者にとっては魅力のひとつになっています。
新幹線の中央付近なので乗り降りしやすいことも
もうひとつ注目したいのが、編成の中央付近にあることです。
16両編成の東海道新幹線では、8〜10号車のグリーン車はほぼ中央に位置しています。
JR東海ツアーズも、グリーン車は16両編成の中央にあり、停車駅によってはホームの階段などに近く、乗り降りに便利な場合があると案内しています。
新幹線を頻繁に利用する人ほど、到着後の数分を意外と重視します。
駅に着いてから、
・改札までできるだけ早く移動したい
・乗り換え時間を短くしたい
・長いホームを歩く距離を減らしたい
という場合、ホーム中央付近の号車が便利なことがあります。
ただし、階段・エスカレーター・改札への位置関係は駅やホームによって違います。
「9号車なら必ず改札に近い」という意味ではありません。
自分がよく利用する駅で9号車付近の動線が良ければ、それを覚えて毎回同じ号車を予約する人がいても不思議ではないでしょう。
上越・北陸新幹線では9号車が仕事向けになる
9号車の魅力を語るうえで、現在特に注目したいのが上越・北陸新幹線です。
E7系では、平日の対象列車の9号車が「TRAIN DESK」に設定されています。
TRAIN DESKとは、仕事や勉強などで移動時間を有効活用したい人を想定した普通車指定席です。
上越・北陸新幹線では9号車、東北・北海道新幹線では7号車に設定されています。
そのため、
「東京から長野まで仕事をしたい」
「金沢や敦賀までの移動中に資料を仕上げたい」
「新潟への出張中にパソコン作業を進めたい」
といった人にとって、9号車は非常に分かりやすい選択肢になります。
しかもTRAIN DESKは普通車指定席料金で利用できるため、「仕事をするためだけにグリーン車料金を払うのは少しもったいない」という人にも便利です。
これなら、出張のたびに「9号車を指定する」という人がいるのも納得できます。
TRAIN DESK=無音の車両ではない点に注意
ただし、「仕事向けだから静かな車両だろう」と決めつけるのは注意が必要です。
TRAIN DESKは「静かに眠りたい人専用」の車両ではなく、あくまで仕事や勉強をしやすくするための空間です。
そのため、キーボードを操作している人がいたり、仕事に関連した利用をしている人がいたりする可能性があります。
「とにかく会話や物音が少ない車両で眠りたい」という目的なら、TRAIN DESKが必ずしも最適とは限りません。
反対に、
「周囲も仕事をしているほうが集中できる」
「移動時間を作業時間として使いたい」
という人とは相性がよいでしょう。
なお、TRAIN DESKは原則として平日に設定され、土休日や最繁忙期は対象外となっています。列車によって設定の有無もあるため、予約時に確認しておく必要があります。
「9号車は空いている」という噂は本当?
9号車について調べていると、「ほかの車両より空いている」「穴場」という情報を目にすることもあります。
しかし、これは必ず当てはまるとは限りません。
新幹線の混雑状況は、
曜日
時間帯
乗車区間
列車の種類
連休や繁忙期
イベント開催
出張需要
などによって大きく変わります。
たまたま乗った9号車が空いていたからといって、毎回同じ状況になるとは限りません。
特に東海道新幹線の9号車はグリーン車なので、普通車より利用者数が少なく感じられることはあっても、それは「9号車だから」というより座席数や料金体系などの影響もあります。
一方、上越・北陸新幹線ではTRAIN DESKを目的に9号車を選ぶ利用者もいるため、平日の出張時間帯などでは利用が集中する可能性もあります。
「9号車=いつでも空いている」という認識ではなく、「自分の利用目的に合いやすい号車」と考えるほうがよいでしょう。
9号車を選ぶメリットを整理すると?
ここまでの内容を整理すると、9号車を好む理由は大きく3つに分けられます。
1.快適性を重視できる
東海道・山陽新幹線やE5系の東北新幹線では9号車がグリーン車です。
普通車よりゆったりした座席で移動できるため、長距離利用や出張、一人旅との相性がよいでしょう。
2.仕事時間として使いやすい
上越・北陸新幹線では、平日の対象列車で9号車がTRAIN DESKになります。
パソコンを開いて仕事をしたり、資格試験の勉強をしたりする人には便利です。
「新幹線に乗ったら仕事をする」と決めているビジネス利用者なら、毎回9号車を選ぶ習慣ができるのも自然です。
3.いつもの号車を決めると迷わない
頻繁に新幹線へ乗る人にとって、毎回同じ号車を利用することには意外なメリットがあります。
乗車位置を覚えやすく、ホームに到着してから「どこまで歩けばいいのだろう」と迷いにくくなるからです。
さらに、よく使う駅なら階段やエスカレーターとの位置関係も覚えられます。
「9号車だけが圧倒的に優れている」というより、「自分にとって使い勝手のよい号車を固定している」という人も多いと考えたほうが自然でしょう。
反対に9号車が向かない人もいる
メリットがある一方、9号車がすべての利用者に最適というわけではありません。
たとえば東海道新幹線の場合、9号車はグリーン車なので普通車より料金が高くなります。
「移動費をできるだけ抑えたい」という場合は、普通車指定席のほうが現実的です。
また、小さな子どもと一緒に旅行する場合や、車いす・多目的室などの設備を利用したい場合は、設備の位置から号車を選んだほうが便利なことがあります。
N700Sでは多目的室や車いす対応座席などが11号車付近に配置されています。
大きな荷物がある場合も同様です。
号車番号だけで決めるのではなく、特大荷物スペース付き座席の有無や座席位置なども含めて予約するほうが安心です。
9号車がおすすめなのはこんな人
9号車を一度試してみる価値があるのは、次のような人です。
東海道・山陽新幹線なら、移動中の快適さを重視したい人や、グリーン車でゆったり過ごしたい人に向いています。
東京〜新大阪などの長距離移動が多いビジネスパーソンにも使いやすいでしょう。
上越・北陸新幹線なら、平日の移動中に仕事や勉強をしたい人との相性がよくなります。
反対に、料金を最優先したい人、乳幼児連れで設備への近さを重視する人、大型荷物を持って移動する人などは、9号車という番号にこだわらず目的に合った座席を選ぶほうがおすすめです。
失敗しない号車選びのポイント
新幹線で快適に過ごしたいなら、「9号車がおすすめ」という情報だけを見て予約するのではなく、次の順番で考えると選びやすくなります。
まず、自分が乗る新幹線の車両編成を確認します。
次に、
「静かに休みたい」
「仕事をしたい」
「料金を抑えたい」
「乗り換えを楽にしたい」
「トイレなどの設備を重視したい」
など、最も優先したい条件を決めます。
そのうえで号車と座席位置を選ぶのが失敗しにくい方法です。
同じ9号車でも、東海道新幹線と北陸新幹線では役割が大きく異なります。
「9」という数字そのものに特別な秘密があるわけではなく、それぞれの路線で9号車に配置されている設備やサービスが、一部の利用者にとって非常に便利なのです。
よくある質問
新幹線の9号車はなぜ人気なのですか?
9号車が好まれる理由は、新幹線によって異なります。
東海道・山陽新幹線では9号車がグリーン車となっており、普通車よりゆったりした座席で移動できるのが魅力です。
一方、上越・北陸新幹線では、平日の対象列車で9号車が「TRAIN DESK」に設定されるため、移動中に仕事や勉強をしたい人から選ばれています。
そのため、「9号車そのものが特別」というより、9号車に設定されている車両やサービスが利用目的に合っていることが人気の理由です。
東海道新幹線の9号車は普通車ですか?
いいえ。東海道新幹線の16両編成では、8号車・9号車・10号車がグリーン車です。
そのため、9号車を利用するには普通車指定席ではなく、グリーン車のきっぷが必要になります。
9号車は3両あるグリーン車の中央に位置しているため、この配置を好んで選ぶ人もいます。
新幹線の9号車は空いているのですか?
必ずしも空いているとは限りません。
曜日や時間帯、乗車区間、繁忙期、出張需要などによって混雑状況は変わります。
「9号車は穴場」という情報だけを理由に選ぶのではなく、予約時の座席状況を確認するのがおすすめです。
9号車はほかの車両より静かですか?
路線や乗客の状況によって異なるため、必ず静かとはいえません。
東海道・山陽新幹線では9号車がグリーン車なので、落ち着いた雰囲気を感じやすい場合があります。
ただし、乗客数や時間帯によって車内の雰囲気は変わります。
また、TRAIN DESKは仕事や勉強向けの車両ですが、「完全に無音で過ごすための車両」ではありません。
北陸新幹線の9号車にはどんな特徴がありますか?
北陸新幹線では、平日の対象列車で9号車が「TRAIN DESK」として設定されています。
TRAIN DESKは、移動中に仕事や勉強をしたい人向けの普通車指定席です。
パソコン作業などをしながら移動したいビジネスパーソンには便利ですが、土休日や最繁忙期などは設定されない場合があります。
9号車は仕事をする人におすすめですか?
利用する新幹線によってはおすすめです。
特に上越・北陸新幹線のTRAIN DESK対象列車では、9号車が仕事や勉強をする人向けに設定されています。
一方、東海道新幹線では9号車がグリーン車なので、広めの座席で落ち着いてパソコン作業をしたい人に向いています。
子連れでも9号車はおすすめですか?
9号車が必ずしも最適とは限りません。
小さな子ども連れの場合は、トイレや多目的室などの設備に近い車両を選んだほうが便利なことがあります。
ベビーカーや大きな荷物がある場合も、号車番号だけではなく、車内設備や座席位置を確認して予約するのがおすすめです。
新幹線は何号車を選ぶのが一番いいですか?
一番いい号車は、利用目的によって変わります。
静かに過ごしたい、仕事をしたい、料金を抑えたい、乗り換えを楽にしたい、トイレに近いほうがいいなど、優先したい条件を決めて選ぶのがおすすめです。
9号車は魅力的な選択肢のひとつですが、すべての人にとってベストな号車というわけではありません。
9号車なら改札や階段に近いですか?
駅によって異なります。
16両編成の場合、9号車は編成の中央付近にあるため、駅によっては階段やエスカレーターへの移動がしやすいことがあります。
ただし、ホーム設備の配置は駅ごとに違うため、「9号車なら必ず改札に近い」とは限りません。
よく利用する駅では、ホーム案内図を確認しておくと便利です。
「9号車しか乗らない」という人は何を重視しているのですか?
快適性、仕事のしやすさ、乗降のしやすさなどを重視しているケースが多いと考えられます。
特に新幹線を頻繁に利用する人は、自分にとって使いやすい号車を決めておくことで、毎回座席選びに迷わずに済みます。
「9号車が絶対に一番」というより、利用する路線や自分の移動スタイルに9号車が合っているため、繰り返し選んでいると考えるとわかりやすいでしょう。
まとめ|「9号車しか乗らない」にはちゃんとした理由がある
新幹線で「9号車しか乗らない」という人がいるのは、単なる数字へのこだわりとは限りません。
東海道・山陽新幹線では、9号車は8〜10号車に連なるグリーン車の中央に位置し、ゆったりした座席で落ち着いて移動できることが魅力です。
一方、上越・北陸新幹線では、平日の対象列車で9号車がTRAIN DESKとなり、仕事や勉強をしたい人に適した車両になります。
つまり、9号車の魅力は新幹線によって異なります。
また、「必ず空いている」「必ず静か」「すべての駅で階段に近い」といった絶対的なメリットがあるわけでもありません。
それでも、利用する路線や目的が自分に合っていれば、9号車は非常に快適な選択肢になります。
これまで号車を意識せずに座席を予約していた方も、次に新幹線へ乗るときは車両編成を一度確認してみてはいかがでしょうか。
窓側か通路側かだけでなく、「何号車に乗るか」に注目してみると、新幹線での過ごしやすさが変わるかもしれません。
自分に合った“お気に入りの号車”を見つければ、いつもの移動時間をもっと快適に使えるようになるでしょう。
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